趣味としての個人事業。
「今月のテーマはやらないことを決めること」。
2月はじめの投稿で、そのように宣言しました。
かれこれ10年以上生業としてきた先生業についても、例外ではありません。
そして昨晩、10年来のクライアントさんとお食事をご一緒する中で、腹落ちする方針が1つ固まりました。
それは、「先生は趣味である」という立ち位置です。
個人事業主として活動を始めたのが2016年の4月。
3期目を(ほぼ)終えた今年は、これからの方向性を決める時期に来ていると感じていました。
生活の基盤を固めることなどを考えれば、事業を広げる選択肢が一般的かもしれません。
自身がメディア露出などをしてカリスマ先生になる、あるいは傘下に先生を従えて受け入れるクライアント数を増やす。
拡大路線で出来る打ち手は、実はそれほど多くないと考えています。
そして、残念ながら、思い当たるいずれの方策についても違和感がありました。
そこで、「開業から月日も経った『から』、足元を固めて広げなければ『ならない』」という固定観念を、一度外してみることにこそ、意義があると気付かされたわけです。
元々、「趣味」という言葉が苦手で、「趣味はなんですか?」と問われることも不得手でした。
その理由は、どことなく本気でなく、自己満足や馴れ合いのイメージが先入観としてこびりついていたためです。
しかし、そうした先入観を取り払って、言葉を再定義してみれば、そこには「(得手不得手は傍に置いて)好きだからやる」というポジティブな面もあると感じられるようになりました。
趣味ゆえに、すぐにお金にならなくとも、様々な問題に触れて、研究したくなる。
趣味ゆえに、たとえ深夜のLINEであっても、クライアントさんの困り事には寄り添って、解決したくなる。
趣味ゆえに、etc。
このように考えると、随分と肩の荷が降りたように感じられるから不思議です。
もちろん、所縁のあった子ども達やその親御さん達に対しては、これまで以上に全身全霊かつ飾り気のない心で接していく所存です。
また、「趣味」とは別に、純粋に「ビジネス」として取り組める領域があるからこその選択肢であることも理解しています。
しかし、個人事業主として開業した人にとって、いわゆる「法人成り(※)」以外の目標設定もあることは、もっと認知されて良いのでは?と思うようになりました。
特に「複業」が当たり前になっていくであろう世の中においては、趣味と実益を兼ねる方法を知っていることは、人生を有利に、そして豊かにしてくれるものと思えます。
(※)法人成り:事業所得が500万円を超える辺りで、節税効果も期待されることから、個人事業主が法人を設立すること