欲望テンプレート。
駅ナカを歩いていたら、デジタルサイネージに表示された『後妻業』というドラマの広告を目にしました。
遺産相続を目当てに、高齢の金持ち男性との結婚を目論む、といった筋書きのようです。
(見た印象のまま書いているので、違っていたらごめんなさい。)
映し出された登場人物たちは華やかな服装に身を包んで、手にはシャンパン。
それを見て、ふと思いました。
もし日本が未だに鎖国を続けていて、極端な情報統制社会だとしたら、この人達の手には、シャンパンの代わりに何か別のものがあるのだろうか?、と。
やはり純米大吟醸の日本酒でしょうか。
そして、学生時代にハマっていた作家、村上龍さんのエッセイに書かれていたことを思い出しました。
曰く、「アフリカで原始的な生活を送る少女には、マニキュアを付けたいという欲求はないはずだ。なぜなら、欲望が発生するためには、対象となる存在を知っていることが条件となるからだ。」といった内容です。
「何かを欲しいと思う気持ちは、世間の常識や広告といった様々なものによって作り出された感情かもしれない。」
せめて、そのことには自覚的に過ごしたいですね。
自分が本当に欲しいものを知っている人の生涯は、そうでない人のそれに比べて、きっと充実したものになるので。
少なくとも、某社の予測(という名の広告)を真に受ける形で、安易に都会と田舎の二重生活を始めることがないよう、気をつけたいと思います。