p s u k e の 俯 瞰 慧 眼

溢れ出る言葉の記録として書き綴っているブログ。まずは何より自分のため、でも誰かの何かに響けば尚倖。

東急の沿線価値。

大学に入って1人暮らしを始めるまで、23区内、東急沿線の街で育ちました。

現存している生家に赴く機会も多く、今でも非常に身近な存在です。

 

東急は都内に展開する私鉄各線の中でも、商い上手なのか、最近ではグループ全体の売上高が1兆円を超える規模にまで成長しています。

 

また、創業時から、鉄道網の整備と都市計画をワンセットで考えてきた背景もあって、沿線の主要な駅について、ブランド化に成功している点も目を引きます。

 

新たに東京へ流入する若者などにとって、「住んでみたい街」としてイメージされる場所が、東急沿線には沢山あるわけです。

 

少し前に、1,000を超える「マンションポエム」を集めたライターの方が、「広告に最も多く登場するキーワードは『街』」と結論づけていたように、転居や引越しを考えている潜在的な入居者にとっても、街の持つ価値は決定的な意味を持ちます。

 

そうした点で、東急沿線で事業を展開できるとすれば、それは投資家にとって魅力的な選択肢ということになります。

 

一方、一見すると首都圏で最強の私鉄と思われる東急沿線についても、住み手の目線で見れば、死角がないとは言い切れません。

 

実際、「もし自分が都内で好きな所に住めるとしたら東急沿線を選ぶか?」と問われたら、1ユーザーとしては即答しかねます。

 

理由は、企業の強みである開発計画とブランド戦略が先行する反動なのか、利用者や居住者の目線に立った日常レベルで、細やかな心配りが追いついていないのかな?と感じる場面が散見されるためです。

 

たとえば少し前には、安藤忠雄さんの手によって刷新された渋谷駅が、柱だらけで歩きにくいと、利用者から散々な声が挙がりました。

 

また、グループの不動産会社が大手デベロッパーと共に、新たに開発に力を入れた武蔵小杉エリアについても課題を抱えています。

ニュースなどで目にする機会も増え、改善に向けた取り組みもなされているようてますが、林立したタワーマンションの影響による人口増で、通勤時の改札に行列ができる光景は、実際に目にするとなかなか衝撃的です。

 

いずれも、事業者としては計画段階で予防策を講じられたのでは…?と思われる問題であり、「沿線に住む人のことを本当に考えているのか?」という疑問につながります。

 

こうなってくると、グループのスーパーマーケットなどでポイントが貯まるクレジットカードについても、どれだけ売上に貢献しても毎年の年会費がかかる点など、「今時、なんだかなあ」と思えてくるから、人間とは不思議なものです。

 

もし東急グループの方と腹を割ってお話する機会が訪れた際には、こうした点に対する考えを是非伺ってみたいものです。

 

まとめると、事業家や投資家の立場で見るか、住み手の立場で見るかによって、東急沿線の価値は変わってくるのでは?というのが、今回の結論です。