p s u k e の 俯 瞰 慧 眼

溢れ出る言葉の記録として書き綴っているブログ。まずは何より自分のため、でも誰かの何かに響けば尚倖。

複業時代の1万時間理論。

今から9年前の2010年に、アメリカ人の著名ジャーナリストによる書籍、『究極の鍛錬』の国内版が発売されました。

 

この本のエッセンスを一言でまとめると、「どんな職業であれ、一流と呼ばれる存在になりたければ、1万時間の鍛錬が必要」というものです。

 

当時、このメッセージには少なからず影響力があったようで、様々な場面で引用されたのを目にした記憶があります。

 

しかし、ここ数年は、こうした傾向に変化が見られるようになりました。

 

背景の1つには、複数の仕事を掛け合わせて自分で新しい職業を作り出し、短期間で成功を収めるケースが増えてきたことがあると考えています。

 

堀江貴文さんの『多動力』が出版された2017年辺りが1つのターニングポイントでしたが、以前に比べれば、「真面目にコツコツと1万時間を積み上げるより、未開の分野を開拓して、手っ取り早く儲けよう!」という発想は、随分と市民権を得たのではないでしょうか。

 

『究極の鍛錬』で論じられていた「1万時間理論」と呼べるものは、職人気質が強く、年功序列な社会構造の中で生きる多くの日本人にとって、たしかに親和性が高いものでした。

 

一方で、仮に1日8時間、年間250日働いたとしても、一人前の稼ぎを得るまでには5年の歳月がかかります。

 

これに対して、新しい仕事を作り出す働き方をすれば、ライバルがいない状態でスタートできますので、はじめは未熟であっても早々にマネタイズが可能で、稼ぐと同時に経験値を積み上げることができます。

 

どのような道を選ぶかは各人が決まればいいと思いますが、「副業から複業へ」といった風向きがあることも確かですし、大人の責任として、次世代を生きる子ども達には、出来る限り伝えておきたい生き方の1つですね。