木造アパートsurvival。
1960年-2000年に建設され、現存している木造の民営借家は、東京都23区内で約20万戸、東京都全体では約30.5万戸。
当初は、敷地に余裕のある中小オーナーが中心となり、戦後の急速な復興と発展に伴う都市部への人口流入に応える形で、こうした木造賃貸アパートが建てられていったようです。
その後、日本経済が最も活況を呈した1980年-1990年前後には、新築の着工件数も当然ながら増え、(全国的に見れば)現存する貸家の約20%が、この時代に建てられています。
さらには、「土地活用」を謳う建築会社であったり、正社員や公務員に対して「脱サラ」・「老後に向けた資産形成」といった切り口で、自己資金ゼロからのアパート経営を提唱する会社であったりまでが登場し、各社が毎年100棟ペースで新築の木造アパートを供給する、という歴史を近年まで刻んできました。
そして現在、少子化・高齢化といった社会背景もあり、こうした「産めよ、殖やせよ」の風潮にようやく歯止めがかかり、調整の局面が訪れています。
ちなみに、そうしたを現状を受けて、「木造賃貸アパート」の業界では、猛烈な生き残り合戦が始まっていますが、個人的には望ましい流れであるとの考えでいます。
なお、昨年の後半からは、個人の属性で金融機関よりの融資を受けることは難しくなっているようですが、もし中古の木造賃貸アパートを購入する場合には、次に挙げる3つのポイントを(最低限の)条件にするのが良いと考えています。
- 立地:駅から徒歩10分以内
- 築年数:1981年以降(新耐震基準に則ったもの)
- 地盤が安定していること
条件を満たしていれば、現状の入居率は二の次です。
むしろ、相続が発生した際などに、それまで管理不行き届きで半ば放置されていた土地・建物などが出来てきた場合には、千載一遇のチャンスかもしれません。
期せずして、1つ前の投稿に当たる「狭小の美学と日本人のメンタリティ。」からの続き物のようになりました。
予定では、この流れでもう1つ、「新築」の可能性についても、したためたいと思っています。