p s u k e の 俯 瞰 慧 眼

溢れ出る言葉の記録として書き綴っているブログ。まずは何より自分のため、でも誰かの何かに響けば尚倖。

建物は見た目が○割。

もう10年以上前になりますが、『人は見た目が9割』という新書がヒットしたことがありましたね。

その後、インスタグラムやYouTubeTikTokなどが普及したこともあって、若い世代を中心に、自分を磨いて(時には加工して)露出することが「普通」とされる時代になりました。

そして、魅力的な外見をしている人が、そうでない人に比べると、様々な場面でより恩恵を受けているように思われますのも事実です。

まさに、人は見た目が9割、なのかもしれません。

 

翻って、「建物」はどうでしょうか。

 

賃貸物件やレンタルルームを探すアプリで、「床全面無垢貼り」、「室内全面リノベーション済み」といった文言と室内写真に惹かれて現地を訪ねてみると、外観がショボい…という苦い経験をすることもしばしば。

 

たしかに、外観の修繕には費用がかかります。

特に、2階建て以上の建物であれば、足場を組んだり養生をしたりといった準備作業が欠かせないため、その分コストに跳ね返ってきます。

場合によっては、100万円単位の出費を覚悟せねばならず、オーナーの負担も大きくなります。

 

そうした事情もあってか、リノベーションを得意とする会社さんや、そうした物件を扱う不動産屋さんと話していても、「外観は、まあ、どうしても後回しになりますよね」といった言葉を聞くことが少なくありません。

 

しかし、入居者や利用者の立場で考えると、違和感が残ります。

1日を外で過ごすなどして帰ってきた時、真っ先に目にする我が家が、思わず「ただいま」と言いたい場所であるか否か、少なくとも心の深い部分に影響する気がします。

 

今後、賃貸アパートやレンタルスペースといった「場所の時間(期間)貸し業」は、ますます買い手市場になることが確実です。

そうした中で、各オーナーは選ばれるための創意工夫を凝らしていくことが当然となるはずです。

 

外観についても、採算との折り合いを付けながら、良いものを実現した建物から生き残っていけると思いますので、結果として街並みや景観が、今よりも優れたものになることを期待しています。