p s u k e の 俯 瞰 慧 眼

溢れ出る言葉の記録として書き綴っているブログ。まずは何より自分のため、でも誰かの何かに響けば尚倖。

ブルーオーシャン賃貸。

数日前、テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』で、宝島社の雑誌『リンネル』がプロデュースする住宅が紹介されていました。

 

取材に応じていた編集者によれば、間取りありきの発想に縛られず、階層によって「集う」、「住まう」といったテーマを設けているようでした。

それでいて、建築コストは1,000万円と決して割高でない点は好印象でした。

 

まずは戸建住宅からスタートしたこうした企画ですが、数年内には賃貸住宅の分野でも増えていくのではないでしょうか。

 

というのも、供給過多に陥っている賃貸市場では、入居者に選んでもらうための苛烈な競争が始まっているからです。

 

戦後の経緯を振り返ると、元々は家主の立場が圧倒的に強く、「貸してやっている」というのが一般的な大家の感覚だったかと思います。

それが、政策的な背景もありわ近年に入って一気に借り手市場へと移り変わりました。

 

今のところ、競争の舞台はハード面をいかに充実させるか?が中心となっています。

たとえば、借り手のニーズが高い「インターネット無料接続」・「エントランスのオートロック」・「宅配ボックスの設置」といった辺りは当たり前、中には、分譲マンション並みの設備を謳う物件も見られるようになりました。

 

しかし、ハード面の充実は、お金さえかければ誰でも出来るため、最後は価格競争となり、限界が訪れるのが常です。

 

そこで、競争の舞台はハードから、ソフトやコンテンツへと移っていくことになると予想しています。

 

冒頭に挙げたように、雑誌をはじめとするメディアとのコラボレーションも1つの例でしょう。

 

(この点、破綻した「かぼちゃの馬車」がオーナーに語った青写真のうち、入居者への職業斡旋やモニタリングへの協力の部分は、意外と本質を突いていたように思います。)

 

これから数十年に渡って選ばれ続ける賃貸住宅はどうすれば作れるか?、まだまだ模索中というのが正直なところ。

 

ただ、最終的には唯一無二の存在である「人」に回帰するはずなので、まずは1オーナーとして、入居者のみならず不動産会社をはじめとするパートナーにとっても、人間としてどれほど魅力的であれるか?を追求していきたいとの考えでいます。

 

そうした取り組みの先に、経営戦略で言うところのブルーオーシャン、競争から自由な未開の地が広がっている可能性を心待ちにしています。