p s u k e の 俯 瞰 慧 眼

溢れ出る言葉の記録として書き綴っているブログ。まずは何より自分のため、でも誰かの何かに響けば尚倖。

ムーミンの皮膚ー不・動産ー。

国語を教える際の定番として、「ムーミンの皮膚」というネタがあります。

これは、熟語に打ち消しの意味を添える4つの漢字、すなわち「無・未・非・不」を紹介する目的で使われます。

(そもそもムーミンを知らない子もいるので、百発百中で刺さるわけではないのですが…)

 

さて、不動産業に携わるようになって以来、そもそも「不動産」という言葉の語感に違和感を抱いています。

平均的な感覚として、「不動産」という言葉に対して「胡散臭い」・「土地転がし」・「ツーブロックゴリラ」といったイメージが先行することへの懸念も、確かにあります。

しかし、それ以上に、「動産」を打ち消す形での「不・動産」という言葉の組み立てに、なんとも言えない肩身の狭さを感じます。

 

なお、ざっとググった限りでは、「不動産」の語源は明治29年民法にあるそうです。

それまでは「土地」や「地所」といった言葉が使われていたのが、民法が参考にしたドイツ語の「Immobilien」やフランス語の「Immobiliers」の訳語として「不動産」という言葉が作られたとのこと。

 

対して、英米法では「Real Property」が近似する概念だそう(Wikipediaより)。

英語であれば、「Real Estate」がより一般的な印象がありますね。

いずれにせよ、こちらは打ち消しの接頭語がないことが、少し羨ましく感じられます。

 

「不」の音が、同じ音を持つ「負」のパワーを引きつける、といった一見突拍子もないことは、果たしてあり得るのでしょうか。

(非常に漠然とした思いつきです)

 

今回、特に結論はありません。

ただ、業界内で、「三菱地所」や「森ビル」といった社名の大手があることも念頭に置いて、言葉選びには気をつけよう、と思う次第です。