p s u k e の 俯 瞰 慧 眼

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レオパレス難民バブル便乗。

賃貸アパートの建築請負・管理大手の「レオパレス21」が、約40,000棟弱の施工物件のうち、1,324棟の施工不良を公表しました。

これに伴って、入居者14,443人に転居を要請することも話題となりました。

昨日の段階で各メディアにて大きく取り上げられましたので、業界関係者以外へも広く知れ渡る事態となっています。

 

一連の騒動で、入居者やオーナーを「被害者」とする論調も強いようですが、今回の記事では、あえてドライに、この事件で「漁夫の利」を得る方策を検討します。

 

まず思いつくのは、(月並みですが)流出する入居者の受け入れです。

 

今、賃貸アパートの分野では空室率の上昇が深刻化していますので、そうした物件を所有しているオーナーにとっては、まさに「他人の不幸は蜜の味」・「濡れ手で粟」の状況となったわけです。

ただ、転居を迫られた入居者は、これまで以上に「安心」や「信頼」を求める気持ちが働くでしょうから、一般的な賃貸アパートや、シ○ケンや大○建託といった新興イメージの強い会社が施工した物件は敬遠されるかもしれません。

一番いいのは、ヘーベルメゾンなどですが、こうしたブランドの入居率は既に高いことが予想されますので、効果は限定的かもしれません。

 

「漁夫の利」を得る方策として次に思い当たるのが、レオパレス施工のアパートをあえて購入する選択肢です。

 

今回、施工不良が公表された建物は1996年-2001年の着工したものでした。

仮に今回の公表で施工不良の全てを洗い出したと判断すれば、以降に建てられた物件は健全資産ということになります。

(にわかには信じがたい数字ですが、同社の沿革によれば、2002年-2010年の9年間、毎年5,000棟ペースで新築アパートを建設していてもおかしくない計算です。)

 

レオパレスは、地主に対してアパート建設を提案するビジネルモデルを採用しています。

そうした背景もあり、オーナーの中には、採算性を度外視して「不安だから」という理由で売却を検討する人が一定数出てくることが予想されます。

そこで、市場に放出される物件を、買取価格を指定する「指値」で購入することで、結果として収益を得られる可能性があると思います。

 

ただ、この方策にも難点があります。

それは、融資付けが難航することが予想される点です。

今の環境下で「施工主レオパレス」の物件に融資を通せる金融機関があるとすれば、相当にチャレンジ精神が旺盛と言わざるを得ません。

そのため、このシナリオが使えるのは、潤沢にキャッシュを保有する方や、既に金融機関と太いパイプを築いている方に限られるかもしれません。

 

ちなみに、もし自身でレオパレス物件を購入するとすれば、次のような条件で行います。

 

・購入前のインスペクション実施

・賃貸ニーズのある地域で駅から徒歩10分以内(23区内であれば尚可)

・現時点での入居率が90%以上

 

ポイントとしては、当面は賃料収入でキャッシュを得られ、その総額と数年後に更地にして売却や建て替えを行った際の収支が、付近の土地を通常のプロセスで購入するよりも「お得」になることです。

 

実際にこうした行動を起こすか?は別として、筋のいい不動産投資家の中には、既にこうした動きを取っている方もいるだろうと予想します。

 

市場が健全化して、競争力のあるサービスが生き残るという資本主義の本質に照らすと、ここ2年ほど賃貸不動産の分野で起こっていることは、基本的に望ましい流れ、と言えそうです。

自身としては、明日は我が身、一寸先は闇、といった格言を肝に銘じて、尚一層研鑽に励むのみです。